しょうもない間違いを美談仕立ての物語に

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※これは2016年にFacebookに投稿した記事をリライトしたものです。

私は「エビフライ・ハンバーグダブル定食大盛り」を前にして、箸をつけるかどうか、迷っていた。

オーダーしたのは「エビフライ」ではなく「カキフライ」だ。「カキフライ・ハンバーグダブル定食大盛り」だ。

なのに届いたのは「エビフライ・ハンバーグダブル定食大盛り」。

どうしよう。店員さんのオーダーミスを指摘すべきか?

そんな感じで迷っていると、次々とお客さんが入ってきて、店員さんに声をかけるタイミングを逸してしまった。

しかたなくエビフライを口にする私。

店員さん、なぜ間違えたんだろう。

まだ20代後半位か。主婦のパートかな。
仕草が初々しいし、見かけない顔だから、最近入った人なんだろう。

何気に観察していると、隣の二人連れが同じものを頼んだのに、片方しかオーダーが通ってなくて、それを必死で謝っている。

厨房の中にいるシェフからも注意されているのが耳に入る。

あー、彼女、いっぱいいっぱいなんだろうな。一刻も早く役に立ちたいのに、パニクってしまい、自分でもどうしようもないんだろう。

そんな感じで彼女を観察しながら「エビフライ・ハンバーグダブル定食大盛り」を堪能し、箸を置くと、会計のためにレジに向かった。

レジには先ほどの彼女。お昼のラッシュが終わり、ようやく落ち着きを取り戻したようだ。

私は小声で「エビフライとカキフライ間違えたでしょ?」と告げる。

彼女の顔に狼狽が浮かぶ。周りを気にしながら必死で頭を下げる。

「値段同じだよね。だったらOKよ。」

頭を下げる彼女にお金を渡すと、まだ動揺が続いていたのか、レジから出てきたレシートをミシン目で千切ろうとして、誤って真ん中で「ビリッ」と破いてしまう。

これには私も大爆笑。

テンパってた彼女もつられたのか、キュートな笑顔を見せてくれた。

私は「ドンマイ」と言ってレシートを受け取ると、店を後にした。

エビフライは美味かったし、店員さんのキュートな笑顔を見る事が出来たから、いいんじゃないかな。

以上、しょうもない間違いを膨らまして美談にしてみた、でした。

こちらからは以上です(笑)

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