看板を自作|カッティングシートのハギレでDIY

器用貧乏

看板をDIYで自作する。何を用意すればいい?道具は何が必要?どうやってやるの?手順は?疑問は尽きないと思います。私が行っている方法ですが、こんな方法でよければご覧ください。業務として毎日やるなら高価な機材を買いそろえますが、1年に1度あるかないかですから、高価なソフトや機材は使いません。道具は100均で買えるもので、カッティングシートは無料のハギレです。

なぜ看板を自作するのか

看板をDIYで自作。お金を出して業者に頼めば仕上がりはキレイだし、何より早いですね。ですから潤沢に資金があって、急いでいる人は業者に頼めばよいと思います。実際に私も、鈴木ボデーの看板はDIY不可能と判断し、サンコー造形さんにお願いしました。


鈴木ボデー工業所の看板を下ろす事になりました
仙台の鈴木@道場長です。 鈴木ボデー工業所の看板を下ろす事になりました。 といっても倒産するのではなく、看板を取り替えるのです。Facebookつながりで、サンコー造型さんにお願いする事となりました。 4/25(金)に撤去作業を行...

その道のプロに任せる
仙台の鈴木@道場長です。 うちの工場は、事務所も看板も、すべて2代目社長(私の祖父)の手作りです。鉄骨を組み合わせて、溶接して、看板を書いて、取り付けて、それはもう見事に頑丈な建物、看板を立ててくれたのです。 ですが時間の流れには逆らえ...

看板のビフォーアフターは↓こちら↓です。

自分の手に負えなければ、素直に業者に頼む。逆に言うと、DIY可能ならば自分で作る、という事です。

自作のメリット

自作のメリットとは何でしょうか?結果だけを考えたら、業者に頼んだ方がキレイで確実です。DIYで手作りすれば、失敗だってあるでしょう。でもそれを上回るメリットが、自作看板、手作り看板、DIY看板にはあるということですね。

では自作のメリットとは何でしょうか?それは「自分に技術が残る」ということなのです。

自分に技術が残る。その技術を使う機会は今後ないかもしれないけれど、技術があればいつかは誰かの役に立つ。何より技術は盗まれないし、なくならない。だから自分に残った技術は、とても貴重な財産だと思うのです。

看板自作のダンドリ

看板を自作するダンドリは ①文字データを作る②印刷してカッティングシートに貼付け③文字に沿って切る④板に貼付け⑤仕上げ の順番になります。

文字のデータを作る

文字は1文字1文字を普通に印刷して作ります。A4の紙1枚に収まるサイズに限定されますが、それを超えるサイズなら業者に頼んだ方が良いです。

通常はアドビのイラストレーターを使うのでしょうが、今回はインクスケープを使いました。無料だし。

インクスケープを開いた所。使う機能が限定されているので、日本語化せずそのまま使いました。

左側のメニューに「A|」があるので、一回クリックしておき、文字を描きたい位置でクリックして、文字を入力します。今回は「車」という文字を入力しました。

サイズの変更は、左メニューの上にあるマウスカーソルを一度クリックしてから文字をクリックし、文字の角にある記号をクリックしたままドラッグします。Ctrlキーを押しながらだと、縦横比を保ったまま拡大縮小できます。

文字を入力したら、フォントを選びます。今回は「UD Digi Kyokasho N-B」を選びました。ここは各自のセンスで選んでください。

左メニューの一番上にあるマウスカーソルを選んで、文字ではなくオブジェクトとして一度選択します。

このまま印刷してもいいのですが、文字の縁に沿って切るときは、塗りつぶされていない方が楽です。なので一旦アウトライン化をしてから、中だけ塗りつぶします。そうするとフチが黒の細い線で残るので、切る時楽なんです。

ウィンドウ上のメニューにある「Path」→「Object to Path」を選びます。

文字がアウトライン化されました。

ウィンドウ下に並んでいる色から、塗りつぶす色を選びます。淡い色の方がオススメ。

ウィンドウ左のメニューの一番下にある、塗りつぶしのマークを一回クリック。

文字の上でクリックすると、黒の部分が先ほど選んだ淡い色で塗りつぶされます。文字の縁は、黒の細い線となって残ります。

後はカラープリンターで印刷するだけですね。

カッティングシートに貼付け

印刷した原稿をつなぎ合わせて、カッティングシートに貼り付けます。インクスケープの説明で書き忘れましたが、文字の上と下に薄い線を引いておきました。これはトンボと呼ばれる位置合わせのための線です。

つなぎ合わせた原稿をカッティングシートの上に置き、上辺をセロテープで止めておきます。

100均ショップで買ってきたスティックのり。三角形なので転がらず、大きいので塗りやすい。

つなぎ合わせた原稿を一旦めくって、カッティングシートの表面に糊を塗っていきます。文字に沿って切っている間に原稿が動かなければOKなので、そんなに気合を入れなくても良いです。

のりがダマになったり、塗り忘れがないように気を付けたほうが良いかと。また液体のりだと、原稿が濡れてヨレヨレになってしまうのでオススメしません。

原稿をカッティングシートにしっかりと貼り付けます。ズレとかシワがないようにしておきましょう。乾く前に切り始めると、原稿が破けることがあるので、充分に乾かしましょう。

順番前後しましたが、カットの際に使う道具です。ペンカッター、セロテープ、定義。いずれも100均ショップで手に入ります。下敷きもあった方が良いですが、私はガラスを使っています。下敷きが柔らかいと、カーブが切りにくいですね。ガラスはスキャナーを廃棄する時に保管しておいたものを再利用。

カッティングシートを切る

カッティングシートに原稿をのりで貼り付けて、のりが十分に乾いたら、いよいよカッティングシートを切っていきます。

文字は曲線と直線の組み合わせなので、曲線をフリーハンドで切り、直線は定規を当てて切る、そんな感じで進めます。

下にガラスがあることを確認しましょう(←よくやらかす)。

私は右利きなので、カーブを切る時は、赤い矢印の向きに切るのが得意で、逆は苦手です。なので原稿を回したり、自分が移動するなどして、手の動きがしやすいポジションに合わせて、その都度自分を移動させています。

カーブが小さい所は小刻みにペンカッターを動かします。

カーブが大きい時は刻みを大きくしながら切っていきます。

切ったら必ずテープで止めて下さい(←これ重要)。

例えば、パのように半濁音がある文字を切る場合を想像してください。原稿は◎になっていますが、内側の丸を切り終えた時点で、内側の丸が「ポロっ」と取れてしまいますよね。そうなると何が困るかというと、「位置合わせ」で困るんです。どこにもつながっていない部分が取れ、一度ズレてしまうと、再び同じ位置に持ってくるのは困難を極めます。

そうならないためにも、
切ったら必ずテープで止めて下さい。
切ったら必ずテープで止めて下さい(←重要なので2回書きました)。

先ほどのカーブを切り終えた後の、カッティングシートの裏面です。

剥離紙までしっかりと切れていることを確認してください。
剥離紙までしっかりと切れていることを確認してください。

「行」の一文字を切り終えた所です。

切り忘れがないか必ず確認してください。
切り忘れがないか必ず確認してください。

その裏側です。

切り忘れがないか必ず確認してください。
切り忘れがないか必ず確認してください。

4文字切り終えたところです。
切り忘れがないか必ず確認してください。
切り忘れがないか必ず確認してください。

板に貼付け

貼り付ける板です。コーナンの資材コーナーで買ってきました。アクリルの板をアルミで挟んだような構造で、結構丈夫。折れたり曲がったりはなさそう。

「アートパネルツヤ有り」です。

青いビニールの保護シートを剥がしていきます。

保護シートを剥がすと、きれいな表面が出てきました。

位置決めです(←超重要)。

ここは超重要なので、じっくりと時間をかけて、納得がいくまで位置合わせをして下さい。ここで妥協すると、後々後悔します。

まず左右位置を合わせます。

板の左辺と1文字目左端までの距離と
板の右辺と4文字目右端までの距離。

この2つがイコールになるように。

その左右位置がズレないようにしながら、板の上辺と原稿のトンボの距離を合わせます。

要は上下左右のすき間が等しく、板の中心に原稿の4文字の中心が来るように合わせて行きます。

人間の目は、少しの違和感を感じるようにできていますので、傾いている、偏っているはすぐに気づきます。

ですからここは妥協せず、納得いくまで何度でも合わせて下さい。

位置決めで納得できたら、原稿をめくります。カッティングシートの裏側にある剥離紙を剥がしていきます。

剥離紙を剥がしていきます。当然ですが、文字の部分だけです。

文字以外のところは剥がさないで下さい。
文字以外のところは剥がさないで下さい。

文字の部分を剥がし終えました。

めくった原稿を慎重に戻します。これで文字の所だけ接着するはずです。

原稿の文字の上から、文字をなぞるようにして密着させます。

文字の中心をなぞり、文字の外側に向かって気泡を押し出すようにして、貼り付けて行きます。

中心から外側に向かって気泡を押し出すように。
中心から外側に向かって気泡を押し出すように。
中心から外側に向かって気泡を押し出すように。

しっかりと貼り付けたら、文字以外の部分をゆっくりと持ち上げていきます。

文字の部分だけが板に残ります。

文字だけが残った状態。文字の上には、原稿の残骸やのりが残っていると思いますが気にせずに。

仕上げ

仕上げです。タオル濡らして固く絞り、カッティングシート表面に残った原稿の残骸やのりを落としていきます。ある程度落としたら、再びタオルを固く絞り、文字をしっかりと拭きながら密着させていきます。

気泡が残ってしまったら

気泡を放置すると、直射日光で温められた気泡が膨れ上がり、ヨレヨレになってしまいます。こうなるととても見苦しいので、気泡の真ん中にマチ針などで穴を空け、空気を抜きながら密着させて下さい。

看板屋さんのお仕事の価値

看板をDIYで自作すると、身に沁みてよく分かることがあります。それは「看板屋さんのお仕事の価値」です。

看板屋さんに頼むと、早くて確実ということもありますが、技術面だけではなく、芸術面でのセンスがやはり素人とは違います。フォントを選ぶ、きれいに切る、位置を合わせる。そしてそれを据え付ける。

看板屋さんの仕事の価値が分かるから、大事な場面ではためらわず看板屋さんにお願いできる。そしてそのお仕事に対して、正しく対価をお支払いさせてもらうことができるようになります。

看板屋さんにお願いしたい方はこちら

看板屋さんにお願いしたいときは、サンコー造形さんがオススメ。今回使ったカッティングシートのハギレも、無料で分けてもらいました。「鈴木ボデーの紹介」と言ってもらえれば、看板娘のスマイルがもらえます。

株式会社サンコー造型|屋内外サイン設計・看板制作・施工・総合看板|内外装工事|各種ステッカー|宮城県仙台市|街のかんばん屋
宮城県仙台市の創業48年老舗の看板屋。看板のデザイン・設計・制作・施工まで自社で作業します。センスのいい看板・集客看板をと真心込めてご提案します。宮城県に限らず全国区お任せください。見積り無料!お気軽にお問合せ下さい。 TEL0222854237 FAX0222854236 メールアドレスsanko-zoukei@ha...

 

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