カネと引き換えに大切なものを差し出してはならない

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私の父親は社長時代、嫌なお客さんが来たとしても「お客さんに頭を下げるんじゃない、カネに頭を下げるんだ」と言って社員に仕事をさせていたそうです。

家族を抱え、会社を抱え、社員を抱え、社員の家族の生活を保証する立場。時には無理難題をふっかけるお客さんに対しても、たとえ頭を下げてでも、仕事を取らなければならない立場。そんな立場ならではの言葉だと思いますが、今の私だったら「バカ言うな!」とはっきり言います。

嫌なお客さんに頭を下げ、カネと引き換えに仕事を取った。その時あなたは、カネと引き換えに何か大切なものを差し出しています。カネと引き換えに大切なものを差し出した時、あなたの心は荒れ、やさぐれます。

その作業を社員に命じるときに、その気持ちは社員に必ず伝わります。社長が渋々嫌々取ってきた仕事を、社員は渋々嫌々こなすことになります。もちろん業務命令ですから、やることはやるでしょう。でもそれ以上の事は決してしようとはしないでしょう。

そんな社員の仕事ぶりを見て、社長が怒るわけです。でもそんな仕事を取ってきたのは他ならぬ社長なわけです。それで怒られて、社員は素直に聞けるのかと。

社長の怒りは収まらず、家に帰ってから家族に辛く当たります。普段なら怒らないような些細なことであっても、つい怒鳴ってしまいます。

でもそんな仕事を取ってきたのは他ならぬ社長なわけです。それで怒られて、家族は素直に聞けるのかと。

かくして社員は荒れ、会社は荒れ、家庭は荒れる訳です。

社長がカネと引き換えに大切なものを差し出してしまった。その結果いろんな人の心が荒れてしまった。

だから私はこう言うんです。

「カネと引き換えに大切なものを差し出してはならない」

もうあと数年もしたら、息子は社会に飛び立ちます。

その前に、息子にもよ~く言い聞かせようと思います。

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